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「ドラゴン・タトゥーの女」

ネタバレです。

長い!

無理矢理一本にまとめて急ぎ足な感が否めず、見終えて鮮明に思い出せるのは、

・あんなことやこんなことをしてるシーン。
・髭のおっさんの太鼓腹。

くらいなのですが、フィンチャー好きなのでやっぱり面白いです。

最初から最後まで効果音が良かったです。不穏な空気を予感させる電動モップの音とか。エレベーターのドアが閉まる音だけで何かが起こりそうでぐわ〜っと怖くなったり。

そんなワクワク感と、S心を刺激するダニエル・クレイグのお姫様ぶりが、トイレに立つのを我慢させた要因。エンドロールの静けさもまた、いいですねー。

初っ端から主人公ミカエルの愛しているのは不倫相手だし、本筋の事件が起きた40年前から本物の愛が見つけにくい物語;;

だからこそ帰ってきたハリエットとヘンリックの再会は胸を打つはずなのに、せっかくの超貴重な心温まる感動シーン、サッサと帰るリスベットと同じくらいあっさり画面切り替わる(笑)こういう感じが好きなんです。

でもさすがにラストは得も言われぬ切なさに襲われましたが…。

ステラン・スカルスガルドという俳優。ダニエル氏を不格好に吊して暗闇のソファで品良く座っている姿が、ゾッとしました。けしからん、もっとやれ。

見覚えのある人だったから元の映画「ミレニアム1」のミカエル役の人かな?と思ったら全然違って、例の海賊映画だった。貝殻つけたパパ役よりもかなり光ってましたよ。

監督:デビッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド、スティーヴン・バーコフ、ロビン・ライト

「デイブレイカー」

※最初からグロ表現あります。

夏の夜店の水風船みたいにやたらめったら人体が破裂したり首が吹っ飛んだりなどB級を謳歌しているのに、シナリオと設定が独創的。バンパイアがまるで感染症の病気みたいです。ちょっと「28日後」を思い出した。

以前にもこういう吸血鬼映画があったのかは知りませんが、吸血鬼が普通に地下鉄で電車を待って、会社に通って、ドライブして、テレビで政治討論をしてる映画は初めて見ました(笑)しかも、人の血<金。吸血鬼って人間らしい心が残ったモンスターってイメージですが、恋とかじゃなくて金銭欲にまみれた吸血鬼だなんて面白い。

ここでの吸血鬼は人間の血を吸い尽くしたために食料である血が不足し、血の欠乏でワンランク上のモンスターに変わっちゃうのを恐れています。人間から見た吸血鬼の脅威ではなく、吸血鬼から見た成れの果ての姿への脅威。

ただその成れの果ても感情はまだ残っているようなので、団体で鎖に繋がれ車で引かれて日光に焼かれるシーンはかなり残酷…。

吸血鬼になりたくないのに死なせないため父親に無理矢理変化させられてしまう娘とか、人間の血を施設で搾り取ってることに罪悪感を抱き続けて豚の血しか飲まない主人公とか、みんな今まで見た吸血鬼ものとはひと味違う悩み方をしてるバンパイアだらけです。

人間に気を遣ってもらって血液を紙コップで嫌々飲むイーサン・ホークが、風邪薬を飲まされる子供みたいで可愛かった(笑)

しかも舞台は2019年という近未来SF。ナイトライダーバットモービルみたいなカッコイイ車がじゃんじゃん出てくる!昼間運転する時は車を『紫外線モード』に設定でき、日光を遮断して映像で外を見られるようになるのです。カーチェイスで車に穴を開けられ、そこから差し込む光でパニックになるのが面白かった。毎朝通勤時に顔の半分だけ日に焼けるのでこの車いいなあ晴れ

かと思えば武器は銃ではなく、弓(クロスボウ)。警察が使っていた光るさすまたに比べると遥かに原始的っぽい。心臓を射抜くためにはアナログが一番効果的なのでしょうか。吸血鬼から人間に戻る方法なども次々に斬新なアイディアが出るわ出るわ。カルト的に長くファンがつきそうだな〜って思いました。

吸血鬼時代のイーサン・ホークが、ゲイリー・オールドマンやトム・クルーズに並ぶくらい様になってました!人間に同情していつも悩んでて、暗い風貌に煙草の煙が似合ってます。ただウィレム・デフォーはまさかの人間役ですが、最後まで人間以外の何かに見えてしまいました。

監督:マイケル・スピエリッグ
出演:イーサン・ホーク(吹替:宮本充)、 ウィレム・デフォー(江原正士)、クローディア・カーヴァン(五十嵐麗)、マイケル・ドーマン(綱島郷太郎)、サム・ニール(金尾哲夫)、イザベル・ルーカス(勝島乙江)、ヴィンス・コロシモ(高瀬右光)

エイドリアン・ブロディ出演作観賞メモ

好きな出演作の順位をつけてほくそ笑もうと思ってたのに、いざ考えてみると作品も役柄もタイプがバラバラで比べようがないので諦めました(笑)製作年の新しい順です。感想を書いてる映画はタイトルから記事へリンクしてるので良かったら見てね。

**********

「エスケイプ」
事故で記憶をなくした男役。森の中をただただひたすら這い回る。置かれた環境は特種ですが、ここまでふつうのおっさん役は珍しいかも。製作総指揮にも名を連ねてるブロディさん。この映画で何をしたかったのかは謎。

「プレデターズ」
どっかの星に獲物として落とされた、ひねくれ者な傭兵ロイス役。今のところ一番好きな役ききれいなイケメンもいいけど、こういう一癖二癖あるエイドリアン・ブロディの方が好みです。

「エクスペリメント」
刑務所実験の被験者トラヴィス役。DVD収録のインタビューで"役に流されない強さを身につけることができた"という趣旨のことを話してました。確かに時々、本当に役に乗り移られるんじゃないかと思う;

「ジャーロ」
連続殺人鬼+その連続殺人事件を追う警部エンゾの二役。ソファで眠るエマニュエル・セニエへのエロ目線と、レストランでお酒飲みながらのお疲れ目線が素敵。

「スプライス」
研究熱心な科学者クライヴ役。研究に夢中な序盤と、人生が狂い始める中盤以降。ダンスに誘う場面はかっこいいです。

「キャデラック・レコード」
チェスレコードの創設者、レナード役。まだ店を構える前の青年時代から出ずっぱりなのに最期の描写が呆気なかった。アメリカジャズ史の良いお勉強になりました。

「ブラザーズ・ブルーム」
詐欺師兄弟の弟ブルーム役。女性にはモテそうだけど、他に特には取り柄がない。やっぱりダンスが絵になります。

「ダージリン急行」
兄弟とスピリチュアルなインド旅行をする次男ピーター役。たぶん父親の死に一番取り乱してる。依存度も一番高そう。

「ハリウッドランド」
ジョージ・リーブスの事件を調べる探偵ルイス役。ハードボイルドチックで渋くてかっこいい!年取ってから、またこういううらぶれた役をやってほしい。

「キング・コング」
ヒロインを一途に想う劇作家ドリスコル役。どんな断崖絶壁でも高層ビルのてっぺんでも、アンを守るためならエンヤコラ。ブロディさん出演作の中で一番泣いた映画泣く

「ジャケット」
現在と未来を行き来できるけど不運すぎるジャック役。この映画の中での笑顔が、はまるきっかけになりました。でもまさかここまでゾッコンになるとは(笑)

「ヴィレッジ」
実はキーパーソンでもある知的障害を持ったノア役。ピュアすぎて痛々しい。この頃は悲劇的な役が続いてますね;

「戦場のピアニスト」
ナチスドイツの戦火を生き抜いた実在のピアニスト、シュピルマン役。言わずと知れたオスカー映画なので当時から逸話は色んな所で読む機会はありましたが、壮絶すぎて今までなんとなく見てませんでした。後半の缶のフタ開けシーンが見てて心が折れました。にわかファンとしてはピアノ演奏はどこまでが代役なしなのかを知りたいです。

「ダミー」
会社を辞めて腹話術師を目指すスティーヴン役。片方割れた眼鏡に他の人がやったらイラつきそうな喋り方、かわいい!しかも腹話術が結構うまい。

「サマー・オブ・サム」
奇抜な頭とファッションで差別に遭ってしまうパンクロッカー、リッチー役。ツンツン頭と国旗Tシャツで登場した時はごめんなさい、大笑いしました。まさかのストリップショーも拝めます。

**********

見たいけれどどうしても見つけられないのが、WOWWOWで一度放送されたらしい「戦場のジャーナリスト」。戦争ものは得意じゃないんですが、見た目で見てみたい。ボサボサの髪に無精髭という好みのポイントをついているのです。どこかのツツタヤヤに置いてないものか〜。

若い頃の出演作はまだまだ見てないのが多いです。90年代の出演作チラッと見たりはしたんですが、やっぱり目の下の皺がクッキリしてきてからのブロディさんが好きです。

新作にシャロン・ストーン、カート・ラッセルとの共演とかウッディ・アレンのコメディ(友情出演的な感じなのかな?)とかあるので楽しみ。これからも独特な出演作選びでワクワクさせてほしい。

日本語吹き替えは、宮本充さんが一番合ってると思います!「キングコング」「キャデラックレコード」「戦場のピアニスト」「エクスペリメント」など二枚目系な役の時に吹き替えることが多いみたい。宮本さん舞台俳優なので、あんなブロディもこんなブロディも、もっと色々やってほしいです。

「ダージリン急行」

つっこみなしで、ゆる〜くボケ通し。

長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)の頭の包帯は旅行なんかしてて大丈夫か?ってレベルだし、次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)の頭痛はどう考えても度数の合わない亡き父のサングラスをかけっぱなしにしてるせいだし、三男ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)の髭はどの角度から見ても似合ってない。

色んな変なものをくっつけて忙しく動き回りっぱなしの兄弟が、ラストに父の遺品のスーツケースを全部捨てて一緒に列車に飛び乗るシーンは良かったです。自分に置き換えてみるとたぶん、あんなオシャレじゃない荷物を大量に抱え込んで切符がないとかくだらんことで騒いでそう(笑)

思わず二度見した場面は、我が道を突き進む母パトリシア(アンジェリカ・ヒューストン)の"シスターのブラザーが虎に食われた"と言うところ。思わず吹き出す兄弟が"ギャグじゃない"と母に指摘されシ〜ンとなった瞬間、後ろでピーターのサングラスがうまい具合にずり落ちて笑った(笑)

あと、細い路地でトゥクトゥクみたいな車に乗ってる場面。3人ぎゅうぎゅうの車内の右端で、言い合いをするふたりをよそ目に箱の中の毒蛇に微笑みかけるピーターが不気味すぎます。

細部までこだわる監督の映画って一回見ただけじゃなかなか全部を把握しきれないです。なので最近のパターンになりつつある『二回目は吹き替え鑑賞』しました。

ゆるそうに見えてサクサク話が流れる映画で、字幕を見て3兄弟の顔を見て背景を見て…とやるのが追いつかない時があるので、吹き替えは有り難かった。マイケル・スコフィールドが意外とブロディさんに合ってた。

なんか可笑しくて心がほんわりなりました。でも逆に「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の時もそうだったけど実は結構シビアで忙しないので、見終えた後はすっごい見たー!って気分にもなりました。

あとものすごくチョイ役のビル・マーレイが、これからどこかで絡んでくるんじゃないかって期待感が持ててワクワクした。実際は急行に乗り遅れる不運なサラリーマンというだけの役でしたが。もしも電車に間に合ってたら、どうなってたかな?人生って偶然の連続ですねー。

監督:ウェス・アンダーソン
出演:オーウェン・ウィルソン(吹替:内田夕夜)、エイドリアン・ブロディ(東地宏樹)、ジェイソン・シュワルツマン(竹若拓磨)、アンジェリカ・ヒューストン(鈴木弘子)、アマラ・カラン(佐古真弓)

「ハリウッドランド」

「スーパーマン」の俳優ジョージ・リーブスの実際の事件と架空の探偵の人生を織り交ぜた、ハードボイルド調のサスペンス。

どの程度までハリウッドの裏に迫ってるのかは私には分かりませんが、そうとうドロドロとした閉鎖空間という印象を持ちました。そんな世界で理想と現実のギャップに戦う俳優。華やかなパーティーの影でどんどん疲れきっていく裏の顔。

ノスタルジックというのかフィルム・ノワールというのか、雰囲気も好きだし探偵エイドリアン・ブロディも好みで、個人的にドンピシャ(死語)です!

リーブス役のベン・アフレックはインタビューを見るとかなりこの役に入れ込んでいたようです。賞もとってますね。浮気を告白した後トニー(ダイアン・レイン)と口論する場面は迫力でした。裏で牛耳る映画界の大物老夫婦がガラスのハートなのも印象的でした。特にダイアン・レインは痛々しかった。

が、すみませんほとんどエイドリアン・ブロディしか見てません。

リーブスとルイス・シモ(Aブロディ)の人生が交錯し、まるで同時進行のような物語になってるところが面白いです。ラストは事件と言うよりも人間的にかなり距離が縮まって、まるで、自殺(犯行?)現場でお互いを見てるくらいまで接近。

シモは事件の真相には辿り着けないけど、名声よりも大事なもの=家族ということに気付いて、初めてきちんとスーツを着て元妻と子の家に行き、余韻の残る終わり方。話としてはその方がもちろんいいんだろうけど、大人しくまとまったシモはちょっと残念(笑)業界の中でひとりだけ私服で浮いてるシモがかっこよかった。

ただ、落ちていく姿は色っぽい!ちょっと「ゾディアック」のロバート・ダウニー・Jrを思い出しました。あそこまで激しく転落はしませんが…。

リーブスの事件のおかげでマスコミに名が売れ上機嫌のシモですが、口封じにボコボコにされ、さらに浮気調査の依頼人が妻を殺害したのをきっかけに、すごく分かりやすく落ちぶれていきます。

取り返しのつかない過ちに気付き、どうしていいか分からず、とりあえず禁煙をやめたり酒に溺れてみたりする。酔った状態で子供に会いに行ったら幼稚園ママズに白い目で見られるわ、子供は怯えて逃げ出すわ。家族をないがしろにしてきたツケが回ってきたのかもしれませんが、途端に踏んだり蹴ったりです。

でも前半、何の疑問も抱かず自分のためだけに邁進するシモより断然こっちの方が好きです。男の哀愁に鼻血鼻血

哀愁と言えばベン・アフレックのポヨンとした背中にもそこはかとなく漂ってました。インタビューでも言われてたけどシモとリーブスは似てるんですねー。

にしてもこの映画はホントに良作と、私は思います。これに限らずブロディさんって出演作選びが面白い。Yahoo!かどこかのレビューで"この人はお金のためじゃなく映画が本当に好きで趣味で映画に出てる"って言ってる人がいて、ああなるほどそうなのかもって納得しました。

監督:アレン・コールター
出演:エイドリアン・ブロディ(吹替:井上和彦)、ベン・アフレック(関俊彦)、ダイアン・レイン(小山茉美)、ボブ・ホスキンス(鈴木泰明)、ロイス・スミス(藤浪京子)、ロビン・タネイ(高乃麗)